驚いた。
駅が無人というのは田舎だしってことで割り切れたが…
山
すぐ近くに山があるとかでなく、駅を出たら山。左右に道とか無い。
<どうぞこのままお登りください!!>
って看板があってもおかしくない、いやむしろつけないと駄目だ。
「いや、汽車の窓から見たときなんかやたら近いなぁとは思ったんだ」
ザッザッ
「でもいくら何でもそれはねぇだろうしとか思っちまったんだよ…」
ザッザッ
「だってそうだろ?駅から出てハイ、山!な〜んて誰が思う?誰も思わないって」
ザッザッ
「ううううううう〜、ううううううううううううううう〜!」
「兄ちゃん…頭打ったか?」
「ブツブツ言ったと思ったら唸ったりして…変」
「うっせぇ! 大体山登るんならそう言えよ…おもいっきし普通のブーツで来ちまったじゃねぇか」
「まあまあ、別にてっぺんまで登るわけじゃないんだし」
「そうなのか?」
「私たちの村はすぐ近くにあるもの」
とか言っていたら割かし舗装された広めの道に出た。それがまっすぐと上に向かうのとで分かれていた
この広さは…運搬用の乗り物が通るためのものか?
「この道まっすぐな」
「ん、ああ。なぁお前ら……って!」
いきなり後ろから…ガキの片割れ(女の子の方)か! 何しやがる!
「お前らじゃない」
あ、そゆことか。確かに俺が悪いな。……ってもなぁ
「俺、名前しらねえぞ?」
「あれ? そだっけ? 俺クスってんだ」
「私はツキ」
「うし、覚えた。んでクスにツキ、村につくまであとどれくらいだ?」
「う〜ん…」
「私たちの歩く早さで30分くらい」
「あ、そうそう」
「んじゃ、お前らのペースで歩くか…」
そのまましばらく黙って歩き続けた。本当は依頼内容について聞きたかったんだが…
この2人に説明できるとも思えないしなぁ〜
つうかまだ正式に受けるとも決めてないしな。(ここ重要)
で、そろそろ歩き続けて30分くらいだなと思ったら村の入り口らしきものが見えた。
「あれか……って何してんだ? クス…にツキまで」
「ハハ、ま、ま、いいじゃん」
「そうそう」
何だ何だ? いきなり2人して人の後ろに隠れやがって。訳わかんね…って…
その時ふとある臭いが鼻をついた……これは……
「こらーーーーーーーっ!!」
うおっ!!びっくりしたぁ〜。な何だよいったい?
いつの間にか村の人間だと思えるのが数人、(どれも農業で結構マッチョな体つき)
俺達を囲んでいた。
「何か?」
ったくいきなり驚かしやがって。これでくだらねえ用だったら半殺しだ。
「こいつが僕らを脅したんだっ!!」
…………………ハイィ!!!??
何言ってんだクス!!
「嫌がる私たちを無理やり……っ!」
お前もかっ!!!??
「お前ら何言って…」
次の瞬間眼に入ったのはマッチョの太い腕。慌てていた俺の顔面にきれいにヒットした。
その一撃で見事気絶し俺の意識はそこで途絶えた……
起きたら覚えてやがれ…!!
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