チュンチュン…

「…………ん」

 おはよう? うん、おはよう。心の中で誰かとのあいさつをかわし、俺は目を覚ました。
 んにしても、懐かしい夢だったな…何で今更??
 そこではたと気づく。
 そいや今日であそこを出て、4年目だ。
 んで、俺の23の誕生日。
 思えば皮肉なもんだ、なんでよりにもよって自分の誕生日に出て行くねん。
 と。…そーいやぁ自己紹介してねぇや。

 俺の名は”カリム=ウォーレン”…”オーレン”じゃなくて”ウォーレン”だぞ。
 時々”ワーレン”言うやつもいるけど”ウォーレン”だかんな? OK?
 歳は今日で23。今は「何でも屋」をしている。
 儲かるかどうかは微妙だ。裕福ではないが日々の生活に困るほどではない。

 …………つーか……俺誰に自己紹介してんだ?

 よくわからないまま着替えて、外の郵便受けに足を進める。
 出入り口のドアを開ける。あいかわらず風が気持ちいい。
 って山の開けた部分にある家だしそれぐらいでないと嫌だが…
 何でそんなとこに住んでるかっつうと、理由は簡単。
 場所が場所だけに家賃が格安だから。
 下の街まで行くのはめんどいが、そのあまりの安さにまさに跳びついたね俺は。
 まぁ、静かに暮らしたかったし、家の前はちょっとした広場だしで言うほど俺は悪いと
思わない。
 と、新聞。配達する人もご苦労さまだ。
 なんとなく、辺りを見回す。いつもの風景しか見えないが、そういうのを眺めるのは嫌い
ではない。
 澄んだ青空。照りつける太陽。頬を撫でる風。木々の歌声。少し離れたところに倒れて
いる子供が2人。いたってへい……

ちょっと待てい!!

 ○曜サスペンス劇場!?


 頭の中に何やら印象深いテーマが流れる。なんちゅう朝だよ。クソ〜。
 近くに駆け寄り生死を確認……

スピーーーーーーーーーーー

寝とるんかい!!

いや、死んでなくてヨカッタけど…

 てか、なんやねん。ここにいるってことは俺に用があるってことだよなぁ。
 まさかこんな子供が旅をしてるわけでもあるまいし…
 あ〜………とりあえず

1:見捨てとく
2:家に運ぶ

…無性に1番を選びてぇ

 なーんか、ヤな感じなんだよなぁ〜
 だからってほっといて○曜サスペンスはもっとヤだし…運ぶか。
 どうか金になりますように



今、金ヤバイんだよ…


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