「魔法の使えない魔法使い」の用語集です。
普通にネタバレしてるので本編読了語に見るのが吉。
【あ】
圧縮詠唱【技能】
魔法を使用するためのアクションの一つである詠唱を簡略化する技術。
本編でも簡単に書いたが、一度使用した魔法の詠唱を圧縮、保存しておいて、
必要時に保存したものを解凍することで即座に同じ効果を発動させられるというもの。
ただし欠点として一度使用した魔法の詠唱を圧縮して使っているため、魔力の量を
調整できず常に同じ威力しか出せないという点とハードディスクのような頭脳を
持っているか、魔法で擬似記憶領域を作り、維持しなければいけないという点がある。
ハッキリ言って才能でもないと習得は難しい。
アーリティル=ハインゼチル【人名】
本編の主人公。
魔法が使えないのに魔法使いの道に入り込み、魔法が使えるようになった途端にその道から外れた
矛盾した魔法使い。
目標を見つけたらそれに向かって突っ走る困ったさん。
本編の後は学院とは小さなとある組織で助手じみた仕事をしつつ、また目標を見つけて頑張ることに。
魔法に関しては時折ユニーを外に出す以外はめっきり使用しなくなる。
彼にとって『魔法が使える』ということが大事なのであり、『魔法』そのものはそれほど重要では
ないということである。
実は、そういった普通の魔法使いとの感覚のズレがイジメの最大の原因だったのだが本人はそんな
ことには気がついていなかった。
最期は最期で目標を達成した後、一人でのんびりと死んでいく。
その顔に、寂しさはあっても後悔だけはない。
【か】
カイト=セブンス【人名】
アーリティルに飽きずにちょっかいを出すイヤミな魔法使い。
だけど実力は同年代では敵うもの無しというくらいにある。
得意な魔法系統が数十種類あるという魔法使いの中では規格違い。
おまけにその魔法系統をきちんと扱えるという意味では天才と言ってもいい。
が、カイトの家系から見ればまだ過程の作品でしかなく、あくまでも実験体という扱いだった。
その評価に自分は優秀だ、という自信にヒビが入り何を目指すかすらも見えなくなった。
学院にやってきて優秀だという自信は若干取り戻した代わりに、アーリティルと出会ってしまう。
目指すものが見えないでいる彼にとってアーリティルは眩しく見えたくらいで、嫉妬の感情を
抱くのは早かった。
本編後はアーリティルを倒す、と意気込んだ矢先目標の相手が脱走したと聞いて意気消沈。
しばらく燃え尽きたように過ごしていた。
が、そのままで終わるハズもなく学校を卒業後、学院の特等席の歓迎を拒否してアーリティルを
探す旅に出る。
生憎と生涯この二人が出会う事は無かった。
………なんだ、わりといいライバルだったんじゃんか。
学院【組織名】
魔法なんて存在しないよと思われる時代のその裏で細々と存在していた魔法使いが、この時代に魔法なんて
ものを公にしてしまって現代の魔法使い狩りが行われる可能性を少しでも無くす為に集まって作り上げた組織。
提案者は十二名で『始まりの十二』と呼ばれている。
設立者は提案者を含め、計百二十名。
魔法使いの研究支援、発展、魔法の隠匿などが目的とされている。
数は世界に三つ。
一つは本編の舞台でもあるアメリカ方面で、別称「根の無い土地の学院」
そしてエジプト方面の、別称「根の残る土地の学院」
最後にロシア方面の、別称「枯れた根の続く土地の学院」
互いに交流はあまりないものの、学院間の仲が悪いわけではない。
年月が経つにつれて暗黙の規則が増えていった今では研究に便利な反面、息苦しいと感じる魔法使いもいる状態。
刻印ハインゼチル【用語】
アーリティルの祖父が生涯をかけて創った刻印。
刻んだものの子供にまで刻まれるあたりほとんど呪いに近い。
得意とする魔法系統が『召喚』である者にしか効果を発揮しない。
原理としては以下のとおりである。
刻まれた者が魔法を使おうとするなり、魔力を外に出そうとすると自然起動して
消費されたり、外に出て行くハズの魔力を別次元に流してしまう。
そうすることで魔力を出したハズなのに出ていないという矛盾を生み出す。
これにより化け物を生成、召喚している。
詳しくは個人規模の矛盾を矛盾の原因が魔力という世界に満ちるエーテルに近いエネルギー、という
理由で世界規模の矛盾に“騙してしまう”ことで割合強い化け物を召喚する。
また召喚に際しての細かい補助も全て行ってくれる。
アーリティルが使った詠唱も、刻印が適切だと判断したものをアーリティルに教えていた。
ただしその機能のせいで召喚以外の系統の魔法が使えなくなるのが欠点らしい欠点。
【さ】
白き壁【魔法】
カルクのもう一つの二つ名にしてカルクに結界の魔法使いの二つ名を与えた魔法。
カルクが先代から受け継いだ魔法の研究の果てに辿り着いた一つの到達点。
切り札の切り札なため眼にしたものは数えるほどしかいない。
噂では――の技ともされているが…?
召喚魔法【魔法系統】
魔法系統のうちの一つ。
一般に化け物と呼ばれるものを呼び出し使役する魔法。
魔法使いの間では使えない魔法として定着している。
基本的な召喚方法としては、魔方陣と触媒を準備し、複数人の魔法使いが永い永い詠唱を行うというもの。
だが、金(魔方陣を描く材料や触媒にかかるもの)と労力のわりに呼び出せるのは
ほとんどが初級程度のものでしかないため釣り合いが取れない。
セブンス【家名】
カイトの家系。
魔法使いの家系としては一流である。
『万能』な魔法使いを創り上げることを目的としさまざまな魔法使いを取り入れて交わっている。
もうとにかくエロい。
無駄にエロい。
この家系の話を書いて十八禁にならないわけがないと断言できるくらいエロい。
まぁその結果カイトのような得意な魔法系統が数十種類ある魔法使いが生まれているわけなのだが。
ちなみに彼らが目指す『万能』な魔法使いとは『全ての魔法系統』を扱える魔法使いのことを指している。
よってカイトですら過程で実験体にすぎない。
やっていることにさえ眼を瞑れば、純粋に突き進んでいる家系と言えなくもない。
が、そんな魔法使いを造れる可能性など皆無なので、もはや妄信的とも呼ぶべき。
【た】
Distort world call【魔法】
「歪んだ世界への呼びかけ」
アーリティルの使用した魔法の名称。
刻印ハインゼチルが起こす現象の結果は刻印の使用者によって変化するわけではないのだが、その
過程は使用者によって違うので命名された。
命名のきっかけは言わずもがな召喚の過程でアーリティルの体感した歪み。
もっともアーリティル本人は特に気にしておらず、そう呼ぶのは命名した周囲だけである。
【は】
ハインゼチル【家名】
魔法使いの家系としては三流とも言われている家系。
家系が得意とする魔法系統は『召喚』なのだが扱えないでおり、そのまま
自分の得意とする魔法系統の魔法以外の魔法しか習得してこなかったのだから
当たり前と言えば当たり前の立場だったし、当時の者達も半ば仕方ないと諦めていた。
が、それに納得できなかったアーリティルの祖父が生涯をかけて刻印を創りあげた。
しかし、それを刻まれたアーリティルの父は使用方が分からないわ、魔法が使えなくなるわで魔法使いの道を挫折。
子供を作り、その子に任せようとするも生まれてきたアーリティルにまで
刻印があるのを見て、一般の世界で過ごすことを決意した。
アーリティルが魔法を使った後も特に魔法使いの世界に戻るつもりはないらしく、平凡な日々を過ごしている。
【ま】
魔法【用語】
基本的に初歩の初歩なら魔力のみ、それより上だと魔力と何らかのアクションを代償にしてシステム内の
現象項を人によって再現されたもの。
少しややこしいかもしれないが、『現象』という商品を『魔力』という硬貨で購入し、『アクション』で
即座に使用しているといった経緯である。
ルーツは存在するのだがそれについて語るのはまた別の機会で。
魔法系統【用語】
魔法の種類、あるいは属性のこと。
今では多種多様に存在している。
普通魔法使いが得意とする魔法系統は一つ。
よって自分の得意な魔法系統の魔法を習得するのが普通。
そうでない魔法系統の魔法が使えないわけではないが、良くて並以下までしか
たどり着けないので習得しようとする者は少ない。
いても補助的なものを二つ三つ軽めに覚えるといった程度。
魔法使い【俗称】
読んで字の如く魔法を使う人を言う。
正確に言えば、魔法を使用して各々の目的の達成を目指す人たち。
故にアーリティルは魔法使いという定義から見ると論外な存在なのである。
ともあれ魔法使いは、条件さえ合えば誰でもなれるが合わなければどれだけ頑張っても無理。
世界各地に国籍、宗教など関係なく存在するが、皆隠れるようにしている。
そのほとんどは学院に所属している。
魔法使いも魔法同様、正確には魔法使いと魔法のセットにはルーツがあるのだがやはり語るのは別の機会ということで。
○○の魔法使い【俗称】
格魔法系統を扱う魔法使いの中でも飛びぬけている者に、その魔法系統の二つ名があたえられる。
例えば『風』の魔法使いだとか、『結界』の魔法使いというように。
魔法使いにしてみれば名誉なことなのだが同時に余計な敵を作りかねないもの。
というのもその二つ名の魔法使いを倒して自分が上だと証明しようとする魔法使いが出てきたりするから。
なので、欲しいけど面倒を呼び込むのであまり欲しくない、と思う魔法使いも多々。
例えると、何かで賞金を獲得した瞬間に同額以上の借金ができたみたいなもの。
少なくとも俺はそんな名誉は欲しくない。
【や】
ユニー【俗称】
アーリティルに召喚されたユニコーン。
本来なら清らかな乙女にしか使役できないのだがアーリティルの召喚したユニコーンは
正規の存在ではないため、清らかな乙女でなくとも使役可能。
角も本物には及ばないがかなり高ランクのアイテムである。
主な攻撃は全身と同じくらい真っ白な雷。
後は角で突き刺すとか、足で蹴り飛ばすとかもあるがイメージを崩してしまうのでできるなら見たくない。
が、アーリティルがぜんぜん呼び出さないでいると寂しさ余って角の一突きを見舞う。
かなり痛い。
趣味は昼寝。
やわらかめの草が好み。
【ら】
ルイナ=カーテライザ【人名】
学院内の学校の教師を務めている魔法使い。
標準的な魔法使いと比べると精神的に甘い。
つまり人間的に優しい、ということになる。
が、実力はお釣が出るくらいに充分。
本来は教師を務める魔法使いだけが使える特権が理由で教師をしていたハズなのに、
アーリティルの世話をしはじめたあたりから理由に少し変化が加わった。
男装しているのは周囲の男どもに舐められないためと、少し趣味。
本編でカルクのことをシーウェルンとわざと呼ぶが、あれは彼女なりの友情表現。
「私はおまえの親友だぞ」と意識して呼びかけることで伝えているのである。
ただし、精神的余裕が無くなるとカルク、になってしまう。
本編後は相変わらず教師を続けているが、出来の悪い生徒には少し優しくするようになったとかなんとか。
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